遺伝子専門医ってどんな人?どんなことをしてくれるのか解説!
この記事では遺伝子専門医について、どのような医師でどのように私たちと接してくれるのかを解説します。聞きなれない専門用語に具体的に何をしてくれるのかイメージが付きにくいですね。妊娠を希望されている、もしくは妊娠が判明して通院先の医師に新型出生前診断を受けるようすすめられた方の参考になれば幸いです。
遺伝子専門医とは
臨床遺伝専門医は、継続して3年以上遺伝診療に従事し専門の研修を受けて試験に合格した医師が持つ資格です。2022年3月時点で1500名近くの専門医がそれぞれの病院や施設で勤務しています。
遺伝専門医の資格を取得している医師は、産婦人科や小児科を専門分野としてもっていることがおおく、起床疾患の多い小児科、先天性の病気をスクリーニングする産婦人科で多いのは当然です。遺伝専門医は、成人してから発症する病気やがんでも、遺伝の関与が明らかになったことから、活躍の場が増えました。
遺伝診療科として独立した科や外来を持っていることも多く、さまざまな領域の医師が遺伝カウンセリングにあたっています。遺伝カウンセリングについては、医師の研修中でもロールプレイが実施され、スキルアップにつなげられるようにしています。妊娠中に医師と面談となると身構えてしまいますが、うまく患者の悩みや不安を聞きながら情報提供してくれます。
ひとりで抱え悩まないように遺伝子専門医も遺伝診療科のコメディカルも支えてくれます。研究発表や変遷する社会のニーズを分析し学会で共有し学びを深める役割もあります。遺伝専門医は、妊娠するまでのプロセスやこれからの生活を医療的、心理的、社会的に支え、個別に家族の選択や意思決定をサポートします。
遺伝子専門医ができること
遺伝専門医は、遺伝医学について広範な専門知識を持っているため、遺伝カウンセリングに対応できます。遺伝については医学的課題だけでなく、倫理的、法的、社会的課題も生じるため、それぞれの診療科、部署と提携しながら専門的検査、診断、治療を進めます。関連部署とは、産科や小児科、遺伝カウンセラーや看護師、社会福祉士など出産後の生活も情報提供してくれるほか、社会資源の活用方法の説明もできるだけわかりやすく行います。
病院独自でパンフレットや説明資料がある場合は、帰宅後も読み返して理解を深められます。遺伝専門医は相談内容も家庭によってさまざま異なるため、カウンセリング中も患者に寄り添う姿勢で対応してくれます。最後の決定は患者本人とその家族の問題になるため、家族間の心理面のサポートと調整も専門医の仕事です。
新型出生前診断を受けるなら専門医がいるところが良い?
日本医学会によって、新型出生前検査の実施施設として認定されている病院がいくつか存在します。新型出生前診断は多くの施設では、検査の対象を35歳以上の妊婦に限定しているケースや、一定の条件を満たした人のみが対象となります。新型出生前診断は、おなかの赤ちゃんにダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーの3つの染色体異常がないかどうかを調べる検査で、採血検査だけで結果が出ます。
専門医がいる病院で新型出生前診断を受けるメリットは、遺伝サポートチームで活動していることが多く専門医や遺伝カウンセラーと面談しながら支援を受けられることです。もし検査で陽性となれば、産むか産まないのかの決断をパートナーや家族と相談しなければなりません。とくに妊娠初期は体調の変化が著しく、精神状態もホルモン状況の変化で不安定になりやすいため、経験豊富な専門医のもとでサポートを受けることをおすすめします。
そのため、たとえどちらの結果であろうと、家族との意見が異なり孤立や孤独を抱えている方を心理的にサポートし、結果を妊婦に押し付けず、パートナーや家族、そして、社会がみんなで支えていく姿勢が必要です。ちなみに一部の医院では、「周産期遺伝相談」を行っています。これは、妊娠・出産において遺伝などの問題に不安を抱えている方向けに、担当医師と慎重に最善の策を考えるカウンセリングとなっています。
このように、出産後のサポートも産科のみではなく、社会で生活に困らないようにコメディカルから情報を得て、療育という形で赤ちゃんの能力を伸ばしていく環境を知っていれば、孤立や孤独感から解放されるのではないでしょうか。
まとめ
遺伝子専門医のいる病院を受診すると、遺伝診療センターや周産期サポート外来と称した専門外来で、遺伝カウンセリングや新型出生前検査をうけられます。大学病院や地域の基幹病院が担っているため、出産や産後の親子でのケアも一貫して受けられる病院が多数をしめます。今後の人生を左右する大切な問題ですから、専門的なケアのもと決断されることをおすすめします。どのような決断になってもパートナーや家族と話し合いをもち、納得できる答えが導けるように慎重に検討しましょう。